緑茶の蒸留

2023年年明けから
一旦、畑に行くことを断念している状態が続いております。
遠距離就農を目指す僕としては、普通の就農とは違った方法での収益化が必要となります。
その準備段階なので仕方がないと理解して
ここはグッと我慢をする冬を過ごすこととなります

自分の場合の収益化の方法は、畑の収穫物でお酒を作ること。
肝心の酒造免許交付に時間がかかって、現状は収益ゼロです。
免許交付までは身動きが取れない状態になってしまいました。

なので、春になった時に必要になるであろう
お酒の原料としてのハーブの勉強、ハーブの蒸留について勉強をしていこうと思います。

”ハーブの蒸留” というと
精油、フローラルウォーターや化粧水などアロマ◯○といった角度から捉えられることが一般的だと思います。
そういった踏み込み方も参考にしつつ
蒸留酒を作る観点で、ハーブの特性を理解しつつ、知識を積み重ねていければと思います。


最初に自分が作るお酒の原料の中でキーとなるのが
緑茶だと思います。
地元の特産物を使ったお酒を作りたいので
茨城県猿島郡特産の猿島茶は素通りできません

まずは
お酒に漬け込むとどうなるのか調べてみます
お酒の種類、お茶の量、種類、保存期間、温度などで味の抽出に差が出ると
仙台のみちのく竹里館の記事では教えてくれます
ここでは、35度のブランデー(液温20度)に4〜5時間浸して、茶葉が開いてきた頃に冷蔵庫に7日程度保管する方法で作っています。
アルコール度数が高いお酒に漬け込んだ方が、エキス分は出やすいそうですが
40度や50度とさらに高い場合はなにか不具合があるのか?
その点はまだわかりません

飲む用ではなく
ハーブチンキ(ティンクチャー)として緑茶をアルコールに漬け込み、化粧水、うがい水、ハウスミストなどの利用も可能です。

さて
とりあえず、緑茶をアルコールに漬け込んでも有害な物質が抽出されるような記事は見当たらないので、ひとまず安心

次に蒸留について

お茶を使ったお酒でヒットしたのが
辰巳蒸留所と株式会社TeaRoomが共同開発をしたFirst Essence Tea Leaf Gin

FOODnavigator-asiaのインタビューに答えるTeaRoom岩本さんのよれば

生の茶葉はジンに何の風味も与えない
花のようなフルーティーさを出すためには、発酵させる必要がある。
生の茶葉から香りを抽出するために独自の発酵プロセスを開発したそうな。

発酵によって香駿という茶葉はジャスミン、桜、青リンゴ、マンゴーなどのフルーティーな香りを出し、在来種は茶畑にいるようなワイルドでフレッシュな味わいを出す

他社が使っている焙煎し乾燥させた茶葉とは風味が違うってことですね。

発酵させたってことは・・・
もはや緑茶ではなく烏龍茶や紅茶ってこと?言われてみれば、緑茶とは一言も言ってないし、書いてない!なるほど〜生の茶葉を発酵させて使ったジンってことか。緑茶のジンではなかったです。


さて
緑茶の蒸留を調べてみると
1957年御茶ノ水大学の研究者?が発表した論文
緑 茶 香 気 の 形 成 に 関 す る 研 究がありました。
ちょっと古いのかな・・・

生の茶葉は花の香りを混じえた青葉香であるが、緑茶製造工程中にその匂を変え、緑茶特有の香りになる。新茶は淡い青葉、海苔、花様の香りが混然としたこうばしい香りとなる。

製造工程でどのように香りが変化していくかを紐解くための一つの研究として発表されました。

茶葉を2つの方法で水蒸気蒸留
一つはチョッパーで細断、一つは丸葉のまま

結果として
細断された茶葉の方から得られる精油量が著しく多い。
βγ-ヘ キ セ ノー ルの含有量の差も大きい。
火力が弱い場合には差は更に著しい
生茶葉の中に含まれるβγ-ヘ キ セ ノー ルは蒸熱によって柑橘様後期物質に変化
さらに次の製茶工程によって緑茶特有の香気が主体になる

蒸留酒にどのような香りを乗せるかによって、茶葉をどのような加工をするべきなのかのヒントになると思います。
①生の茶葉が持つ花香や、青葉の香りが欲しければ、生の茶葉を細断して利用
②柑橘様の香りが欲しければ、蒸して利用
③緑茶特有の香りが欲しければ、製茶された茶葉を利用

TeaRoomさんのお話を参考にすると、生の茶葉はジンを作るにあたって何の風味を残さないらしいので①に関してはどうなるのかはやってみないことにはわからないってこと?ですかね


今日はこの辺でおしまいにしておきます
最新の研究からではないですがお勉強になりました


参考程度になれば幸いです。


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