蒸留にレモンの果汁を使わないの?
就農を目指す蒸留家
今日も畑に行かずに蒸留所で働いてます。
蒸留をしていくと
今んとこ気になるのが
柑橘系のボタニカルの使い方
大体のレシピには
オレンジピール
レモンピールなど
柑橘系のボタニカルは皮だけを使います。
髄の部分を使うと渋くなるので、使わないのはわかるのですが、果汁は使わないと勿体ないんじゃない??と、思ってしまう。
使わないのにはやっぱり意味はあるのですが、意味は少なくてもやっぱり使っている私でした。
個人的には、ジンを作るのに、柑橘を使う個性が出しやすくすっきりとした酸味を持つレモンを基本ベースに考えております。
レモンピールは生?乾燥?
まず、レモンピール。フレッシュを使うか、乾燥を使うか
セブン・クロフツ・ジンの蒸留責任者ベン・トンプソン氏は、「新鮮なレモンの皮を使用すると風味が増し、ジンにレモンの皮のような雰囲気が加わり明るくなります。一方、乾燥したレモンの皮を使用するとレモンメレンゲやレモンタルトの香りが増します。」gin magazine
個人的には、乾燥を使った時。と、言っても乾燥レモンピールと煎茶を二つのボタニカルで蒸留したので、乾燥ピールだけのせいではないのですが、トマトみたいな青っぽさが出た。自分が購入したドライのピールは白い水の部分が多めに付いていたので、それも原因なのか。その時の印象で乾燥ピールは、一回やったのみで、すぐフレッシュレモンに切り替えました。
香りは断然フレッシュの方が良いのと思うのですが、とにかく皮を剥く作業はしんどい。
皮を剥かなくても良い?
そんなしんどさを回避する必殺技を使って蒸留する方もいるようです。
オランダのザイダム社の蒸留所マスター、パトリック・ファン・ザイダム氏は、果実から皮を切り離さずに新鮮な皮を使用する方法があると説明します。 「新鮮な皮を試してみましたが、新鮮な果物を丸ごと蒸留器に入れると、より活気があり、よりフレッシュでクリーンなスピリットが得られることがわかりました。」
確かにYouTubeで調べたりしても、実ごと蒸留しているやり方もみますが、正直、う〜〜ん。本当かなぁ。という気がします。
というのも、柚子を使うとき、小さくて数が多く、皮を剥くのが面倒くさくなり、実ごと蒸留釜に入れたら結構渋みが出てしまいました。剥かないで良いのなら、剥きたくないです。
が、ピールだけを使うのが基本です。これからも剥きます。
ジンバスケット
他に、ジンバスケットに入れた場合についての言及
「新鮮な皮はすべて蒸気バスケットに入れられ、レモンの皮の最も明るく新鮮なトップノートが得られます。香りはほとんどシャーベットのようで、とても刺激的です」とイースト・ロンドン・リカー・カンパニーの蒸留責任者トム・ヒルズは言います。
ミーガン・マードックは、「ジュニパーを元気づけるには柑橘類が必要ですが、あまりにも多すぎると圧倒されてしまうので注意してください」と言います。トム・ヒルズは、「シトラスはジンにすべてを結びつける明るい繊細さを与えます。」と付け加えました。
なぜ皮だけなのか
レモンの香りの成分はリモネン。果皮のぶつぶつに(油砲)に詰まってる精油に含まれています。ほとんどの場合、ジンの蒸留に使用されるのは皮だけです。皮には果物の油分が濃縮されているからです。
ほぼほぼ、香りは皮に含まれているので、蒸留酒を作る場合には果実の部分を加えても、あんまり意味がないということです。
ちなみに、果汁を加えると浸漬液はより強く、柑橘の香りがすると思います。ただ、恐らくですが果汁に含まれている香りと酸味は蒸留の際アルコールとともに蒸気には乗らず、蒸留が終わった後も蒸留釜に残っています。と
ても良い香りが残る蒸留後の蒸留釜の香りはなんとも言えない悲しさがあります。
とはいえ、全く意味がないとはとても思えません。
果汁にもアルコールに溶解する香り成分はあるはず。自分の調べでは、積極的に果汁を使う意見はとても少ないですが、私は今後も何か腑に落ちるまでは果汁も使っていこうと思います
レモン果汁を使ったジン
果汁を使ったと宣言するジンもございます。
デボンズ デッキ チェア ジンは、「シングル ショット」蒸留プロセスで追加の植物として新鮮なフルーツを使用してフルーツ ジンを製造し (蒸留後には何も加えません)、繊細でありながら風味豊かなフルーツの特徴を持つロンドン ドライ ジンを作り出しています。レモン エディションには、レモンの皮、レモン汁、カルダモンなどの植物が含まれています。
詳しい情報がわからないのですが、
ジンを蒸留した後、レモンのフレーバーを加えているフレーバードジン。と、紹介されているジン。蒸留だって香りは付くのですが、あえてレモンフレーバーをつけた・・・という。この言い回し。どんな手段なんでしょうか?
とても気になります。
エッセンシャルオイルでも入れたのかな?
それと
蒸留酒には、酸味はのってきませんが
もうそこは別角度からの方法で、クエン酸を加えて酸味を出してしまえ!という思い切った作り方をするジンもあります。
まとめ
多くの方がジンの蒸留レシピに書かれている通り、柑橘を使う場合は皮のみを使うのが基本です。
柑橘の種類、なま、乾燥、その他、自分なりに方法を模索してやっていけば良いのではないでしょうか
それと、柑橘の種類によって様々な表情を見せてくれるので、品種の違いでの香りの違いまで目を向けられたらもっと楽しくなると思います。
いろんな柑橘を使ってジンを作って楽しみましょう。
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