NIKKA COFFEY GIN

ニッカ カフェジン
この名前を聞くと、ちょっとした疑問、なんか違和感を感じる。まず、ニッカという名前。ニッカってあのウイスキーの?ってところが気になる。すすきのに髭のおじさんのでっかいネオンがあるあのニッカ。
ジンの名前にウイスキーイメージのニッカをつけちゃうところで、えっ?と思う。
そしてカフェジンってなに?カフェという言葉から想像するコーヒー界隈のイメージ。
そんな二つのハテナがまずは先行するのが、このジンを知った時の自分の感想でした。

ニッカウヰスキー

ニッカカフェジンの話をする前に、ニッカについて調べてみた。

ニッカといえば、日本を代表するウイスキー。ブラックニッカ、竹鶴、余市などよく知られた銘柄も多い。
創業者は竹鶴政孝、日本ウイスキーの父と呼ばれる人物が余市に創業。広島の竹鶴酒造の分家にあたる血筋ながら、容姿として本家に入り酒造に従事する。摂津酒造在籍時に本格的な国産ウイスキーを作るため、単身スコットランドへ。その後、サントリーの山崎工場の初代工場長に就任し。自らのこだわりのウイスキーを作るべく独立を決意し、1934年(昭和9年)りんごジュースを製造販売することで、会社を起こし運転資金を得ながら、ウイスキー製造の準備という形をとり、大日本果汁株式会社を創立。1936年にウイスキーの製造を開始。1940年にニッカウヰスキー第一号を発売開始。1952年(昭和27年)ニッカウヰスキー株式会社に社名変更。

ちなみに、2014年9月~2015年3月放送のNHK連続テレビ小説マッサンは、竹鶴政孝と妻リタがモデル。リタさんが夫政孝を呼ぶときの愛称がマッサン。

日本果汁」の「日」と果汁の「果」をとって「ニッカ」という名前で商標登録し、「ニッカ林檎汁」を翌年発売しました。1952年(昭和27年)「ニッカウヰスキー」に商号を変更し、1963年(昭和38年)カフェ式連続式蒸溜機(カフェスチル)を日本で初めて英国から導入し、グレーンウイスキーをつくりました。1969年(昭和44年)仙台工場竣工、1977年(昭和52年)栃木工場を竣工し、竹鶴政孝はその翌々年に亡くなりました。

1954年に朝日麦酒に株の半数以上を売却し、朝日麦酒のグループ会社に。その後2001年、全株をアサヒビールが取得。完全子会社化。

ニッカウヰスキー株式会社は、1934年(昭和9年)7月2日設立、従業員約300名の洋酒全般と焼酎の製造会社です。2001年アサヒビールと営業統合し、販売はアサヒビールが行っております。2002年、旭化成の酒類部門が当社と一緒になり、2006年アサヒ協和酒類製造(株)と合併しました。工場は、創業者竹鶴政孝がつくった発祥の地である北海道の余市蒸留所を含め7ヶ所です。関係会社2社、海外では英国のグラスゴー北部のフォート・ウイリアムスに蒸留所があります。TOPPAN

ニッカ カフェジン

ニッカウヰスキーが持つ伝統的な連続式蒸溜機「カフェスチル」でつくられたカフェ蒸溜液だけをベースに使用したジンです。和柑橘の爽やかな香りと山椒のスパイシーな香りが調和。コクを感じさせる甘い口当たり、ボタニカル由来の香りが広がり重なり合う複雑な味わいが特徴です。Asahiブランドサイト

カフェジン製造工程:とうもろこしを蒸煮、糖化、発酵→カフェ式連続式蒸留機で蒸溜→カフェ蒸留液に①山椒、②ゆずなどの和柑橘とりんご、③ジュニパーベリー等と、3パターンを別々に浸漬。蒸溜→蒸溜後ブレンド→加水→濾過→製品化

ボタニカル:山椒、ゆず・すだち、ジュニパ―ベリー、コリアンダー

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カフェスチルとは

ニッカのウイスキーづくりにおいて、極めて重要な役割を果たしているもののひとつが「カフェ式連続式蒸溜機」(カフェスチル)です。1963年、竹鶴政孝が、本場スコットランドに負けないブレンデッドウイスキーを生み出す夢をかけて導入しました。

1830年頃に開発された極めて旧式な蒸溜機ですが、旧式だからこそ原料由来の香味をしっかりと残します。
ニッカウヰスキーは、このカフェ式連続式蒸溜機からユニークなスピリッツを生み出してきました。
いずれもその豊かな香りと深い味わいで、世界からも高い評価を受けています。

カフェスチルは、アイルランド人のイーニアス・カフェ(イーニアス・コフィー)が1830年ころに発明し、特許(パテント)を取得した連続式蒸溜機の一種です。連続式蒸溜機が最初に登場したのは1826年で、考案したのはスコットランドのロバート・スタインですが、それを改良し実用化したのがカフェだったのです。

「カフェスチル(コフィースチル)」という名称は、特許を取得したカフェの名前に由来していて、「カフェ式(コフィー式)」や「カフェ式(コフィー式)連続式蒸溜機」などということもあります。また、特許のある蒸溜機ということで、「パテントスチル」とも呼ばれています。

一般的な連続式蒸溜機が複数の塔で形成されているのに対して、カフェスチルは、モロミ塔と清溜塔の2つの塔から成ります。通常の連続式蒸溜機よりも塔が少ない分、蒸溜回数が減るため、スピリッツに原料由来の風味や成分が残りやすいのが特徴です。

現在主流の連続式蒸溜機と比べて香味あふれるスピリッツを製造できることから、あえてカフェスチルを採用する蒸溜所もあります。しかし、現代的な連続式蒸溜機よりも操作が難しく、蒸溜効率も悪いため、世界的にカフェスチルを使用する蒸溜所は少ない傾向にあります。

たのしいお酒.jp

宮城峡蒸溜所

ニッカのウイスキーづくりにおいて、極めて重要な役割を果たしているもののひとつが「カフェ式連続式蒸溜機」(カフェスチル)です。1963年、竹鶴政孝が、本場スコットランドに負けないブレンデッドウイスキーを生み出す夢をかけて導入しました。
カフェ式連続蒸溜機の特徴は、原料由来の香味成分をほどよく残し口当たりのやわらかい味わいのウイスキーをつくることにあります。これは、アルコールを精製する能力を追求した現代の連続蒸溜機にはない、旧式で非効率な蒸溜機ならではの特徴であり、「効率よりもウイスキーの品質」にこだわった、ニッカウヰスキー創業者:竹鶴政孝のウイスキーづくりへの思いを象徴するものと言えます。
ニッカ社では、1962年、西宮工場に導入し、今日にいたる約40年にわたって幾多の銘酒を生み出しました。現在もニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所で稼動しています。世界でも希少であり、国内では唯一稼動する”カフェスチル”です。

ニッカウヰスキー株式会社 仙台工場 宮城峡蒸溜所
〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地

東北自動車道・仙台宮城ICより国道48号線を山形方面へ約25分。
作並駅より無料シャトルバス

蒸溜所見学
開催時間
9:00/9:30/10:00/10:30/11:00/11:30
12:30/13:00/13:30/14:00/14:30
※平日の月曜10:30一般見学非開催


カフェジン リニューアル

2023年4月酒税法の理由でカフェジン700mlを2023年いっぱいで販売中止。2024年4月リニューアル販売。詳細わかりませんが、原料にモルトを使っていることが、ウィスキーの製造に近く、製造免許のスピリッツの範疇ではなくなり税務署からNGが出たようです。

ウイスキーの定義
イ 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)
ロ 発芽させた穀類及び水によつて穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が95度未満のものに限る。)
ハ イ又はロに掲げる酒類にアルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの(イ又はロに掲げる酒類のアルコール分の総量がアルコール、スピリッツ又は香味料を加えた後の酒類のアルコール分の総量の100分の10以上のものに限る。)

スピリッツの定義は、
清酒、合成清酒、連続式蒸溜焼酎、単式蒸溜焼酎、みりん、ビール、果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、発泡酒、その他の醸造酒。以外の酒類でエキス分が2度未満のものをいう。

なので、ウイスキーの定義に含まれる製造方法が製造過程に入ってくるとスピリッツと認められなくなります。モルトを原料にするとウイスキーとされてしまう。
ですが、類似するスピリッツとして申請し、承認されればモルト原料でもできるはずなのですが、税務署がNGだったんでしょう。

令第56条第3項第3号及び規則第17条第1号《承認を受ける義務》に規定する「ウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツ
7ウイスキー又はブランデーの原酒をスピリッツの製造の原料に供しようとする場合の承認の取扱い
酒類製造者が法第50条第1項第4号《承認を受ける義務》に規定するウイスキー原酒又はブランデー原酒(以下「ウイスキー原酒等」という。)をスピリッツ製造の原料に供しようとする場合の承認は、発芽させた穀類、果実又は果実酒(果実酒かすを含む。)を原料の全部又は一部として発酵させたアルコール含有物を95度未満で蒸留した酒類及びこれらの酒類を原料の一部とした酒類にウイスキー原酒等を混和する場合には、与えないこととし、その他の場合には、次の(1)から(4)までの要件をいずれも満たしている場合に限り与える。

コーンスピリッツをベーススピリッツにすることで、2024年4月ニッカジンリニューアルしてリリースされたのだと思います。

ニッカ ジンスパイア


カフェジンの原料をモルトからコーンに変更を余儀なくされ、このまま引き下がることができなかったのか。
2022年9月。モルトスピリッツを原料にしたジンを販売開始。しかも、ピート香まで感じるとのこと。

気になるのは、税務署にどうやって申請をしてこの作り方が許可されたのか?
これがいけるなら、カフェジンのリニューアルをさせる必要があったのだろうか?
疑問がいっぱいなのだが。。。いつの日かアサヒ関連の方にお会いした時にぜひ聞いてみたいものです。

既存のジンを挑発する、ヘビーピートモルトの革新

ジンの常識を打ち破りたい。
多くの人がジンを楽しむ時代になったからこそ、
清々しさや飲みやすさとはまったく異なる個性で
ジンの既定路線を超えるものをつくりたい。
開発者のそんな想いが、可能性をひらく原動力だった。
さまざまな原酒をつくるうちに、凄みとも言うべき力を備えた原酒に行き着く。
ヘビーピートモルトを浸漬し蒸溜した、モルトスピリッツ。
ウイスキーづくりの経験値から生まれたこの原酒にインスパイアされて、
長い挑戦が始まったのだ。
組み上げては壊し、調整し、また壊して一から組み上げる。
探求の果てに導き出されたのは、ハーバルな爽やかさは備えつつも
モルトのふくよかさを蓄えた飲みごたえあるジン。
飲むほどに変わる表情に驚かされる複雑さと、
心地よく広がるスモーキーな余韻が
ひときわ異彩を放つ。
ニッカ ジンスパイア。
限界まで攻め抜いた香りと味わいが、ジンの新時代の幕を開ける。ニッカウヰスキー

モルトスピリッツと、ジンのアイデンティティであるジュニパーベリーが香る
ハーバルなスピリッツとの融合。
このモルトを浸漬したスピリッツだけが、ふくよかさと香ばしさを保ちながら
ジュニパーベリーの爽やかさと調和することができたのだ。ニッカウヰスキー

飲み始めにはジンらしい爽やかな香りがあふれ、その後にモルトの甘みや厚みのあるふくよかな味わいが広がり、余韻にはスモーキーなピートの香りがおだやかに続きます。飲むほどに変わる表情に驚かされる複雑な味わいが印象的なジンです。アサヒ

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