パイナップルとマンゴーを蒸留した結果。蒸留の後半がめちゃ臭かった

蒸留話し

パイナップルとマンゴーを浸漬させたというお話を以前しました。

さて、今回は蒸留した結果について

結果を先に言いますと
蒸留の後半部分がとても臭い!!

マンゴーが原因なのかなぁと、思ったけど
もしかしたら、別な原因かもしれない。
個人的には、とても参考になったので読んで面白い人にはハマる内容かと思います。

浸漬液の香り

パイナップルは実の部分より、皮の部分の方が香が早く出る。やや濃い、複雑味のある香り
実の部分は、皮に比べるとすっきりとした香り。
マンゴーは浸漬された状態では、強く香りは出ない。

蒸留の香り

トロピカルな香りがするのは想像通り。ただ、華やかさ、フレッシュさというよりは、熟されたような香り。常圧蒸留器でやっているので、高温でグツグツと煮込まれているのが理由かと思います。
減圧蒸留器の方が、華やかなフルーツのイメージに近い香りが取れそうな感じがする。

問題は蒸留の後半。
テールの部分をカットするか、もう少し取ろうかと、悩み始める
そんなタイミング。
激臭。強烈な臭さ・・・
腐ったような香りがしてきます。マンゴーからなのかな〜。理由は分かりませんが、使えない部分ば明確。

ただ、こういう香りって、なんか保存しておいて1年後とかにいい香りになったり??なんて、奇跡を信じて保存してみたくなりますね。

考察

AIさんにこんな香りになった理由として考えられるものを聞いてみた。
マンゴーの品質についての言及もあったが、そこは問題がなかったのでカット。

  1. 浸漬時間: アルコールにマンゴーを浸漬する時間が長すぎると、果実の不純物や過剰な成分が抽出され、蒸留後半に匂いが悪化することがあります。
    →マンゴーの香りがあまり出なかったので、3週間くらい浸漬させたので、それが悪かった??
  2. 温度管理: 蒸留中の温度が高すぎると、望ましくない成分が揮発し、匂いに影響を与えることがあります。温度を適切に管理することが重要です。
    →常圧蒸留器の蒸留の後半は90度を越えてくる。これでしょうな・・・・。でも、いつもこの温度で蒸留しているので、今回に限ったことではない。
  3. 蒸留器の清掃: 蒸留器が十分に清掃されていない場合、前回の蒸留の残留物が匂いに影響を与えることがあります。蒸留器を使用する前にしっかりと清掃しましょう。
  4. フーゼル油の影響: 蒸留の後半には、フーゼル油(高沸点のアルコール類)が多く含まれることがあります。これらの成分は不快な匂いを持つことがあり、蒸留の後半に現れることが多いです。

!!!
ここで知らない単語が出てきました!!
フーゼル油。。

フーゼル油

フーゼル油とは?

フーゼル油は、エタノールよりも高い沸点を持つ成分の総称です。一般的に、フーゼル油は約82℃以上の温度で発生し始めます1。この温度を超えると、エタノールの蒸留が進む中で高沸点の成分が揮発し、フーゼル油として抽出されます

  1. イソアミルアルコール:
    • 香り: 薬品的な香り
    • : わずかな苦味
  2. イソブチルアルコール:
    • 香り: 刺激的な香り
    • : 苦味
  3. n-プロピルアルコール:
    • 香り: 刺激的で青臭い香り
    • : 辛味12(SHOCHU PRESS)

これらの成分が組み合わさることで、フーゼル油はしばしば刺激的で薬品的な香りを持ち、時には不快な匂いを感じることがあります。しかし、微量であれば、フルーティーな香りやコクを生み出し、スピリッツに複雑な風味を与えることもあります3

以下SHOUCHU PRESSからの抜粋
とても参考になったので、ぜひ読んでみてください。

味に関与する主な成分は、醪中に残ったままといわれます。
実際に、蒸留後の焼酎の成分は、99%以上がエチルアルコールと水。
つまり、成分だけ見ると、芋焼酎も麦焼酎も、そして甲類焼酎も乙類焼酎も大きな違いがないことになります。エチルアルコールと水以外の残り1%未満の成分が、ごく微量でありながら個性を発揮します。
原料による風味の違い、コクやクセの差別化ポイントを生み出すのです。

フーゼル油というのは、ぶどう糖のアルコール発酵のさい、副産物として生成する高級アルコールの総称。
その代表的なものは、
・イソアミルアルコール
・イソブチルアルコール
・n-プロピルアルコール
です。

生成したフーゼル油は、醪(もろみ)の過程で大部分は固形分に付着します。
これは他の蒸留酒、例えばウイスキーでも同様。
ただ、ウイスキーでは蒸留前に醪を粗ろ過して、フーゼル油が付着した固形分の一部を除去。
対して、焼酎では固形分と共に蒸留します。

また、ウイスキーでは再留をしますが、焼酎では粗留(1回蒸留) でやめます。
そのため、アルコール度数は45%以下と低くなります。
アルーコール度数が低いと、フーゼル油の成分が溶けにくいので、その結果、原酒に残ることになります。
一方、再留したウイスキーのアルコール度数は65%前後になり、原酒に残りにくくなるワケです 。

フーゼル油は、刺激的で青くさい香りと辛味、刺激的かつ、薬品的な香りでわずかに苦味を呈します。
反面、これらの成分は微量に存在するため、むしろ焼酎に芳香と快い刺激を付与する役割を担います。

つまり、フーゼル油が、焼酎を世界の中でも珍しい香りの蒸留酒にさせた、原因のひとつなのです。

フーゼル油は、焼酎の香りを形成する主成分の一つ。
焼酎が、世界の中でも珍しい香りをもつ蒸留酒であるのはそのため。

一方、長い間、造り手を悩ましてきたのは、時に放つことがある不快な悪臭。
焼酎が南九州でしか飲まれなかったのは、そのためだといわれたほどです。

1975年頃には、その原因が明らかになります。
悪臭とされてきた原因は、原料や製造過程に由来するものではなく、貯蔵あるいは流通時の管理の問題である事が明らかになったのでした。

具体的には、貯蔵あるいは流通時の管理中での、フーゼル油の酸化です。
長期保存中、冬季になると原酒の温度が下ってくるにつれ、残留していたフーゼル油が分離、溶出。
原酒の表面に浮びあがってきます。
浮かび上がったフーゼル油が大気に触れ、酸化して不快な異臭が発生。
焼酎の旨みでもある成分が空気に触れて酸化されると、酸化分解物が特有の油臭となっていたのでした。

フーゼル油の除去方法

フーゼル油を除去するための方法はいくつかあります。以下の方法を試してみてください:

  1. 分別蒸留: フーゼル油は高沸点の成分なので、蒸留の後半に出てきます。蒸留の初期段階で得られる「ヘッド」と呼ばれる部分と、後半に得られる「テール」と呼ばれる部分を分けることで、フーゼル油を含む部分を除去できます。
  2. 冷却温度の調整: 蒸留中の冷却温度を適切に調整することで、フーゼル油の揮発を抑えることができます。冷却温度を低めに設定することで、フーゼル油の蒸発を防ぎます。
    →これ、すみませんが、よくわからないです。誰か教えて!
  3. 活性炭フィルターの使用: 蒸留後に活性炭フィルターを使用することで、フーゼル油を吸着し、除去することができます。活性炭は不純物を吸着する性質があるため、匂いの改善に効果的です。
  4. 二次蒸留: 一度蒸留したスピリッツを再度蒸留することで、フーゼル油をさらに除去することができます。二次蒸留では、フーゼル油が含まれる部分を慎重に分けることが重要です。
  5. 熟成: スピリッツを熟成させることで、フーゼル油の匂いが和らぐことがあります。木樽などで熟成させると、フーゼル油の成分が徐々に分解され、風味が改善されることがあります。

まとめ 結局よくわからない

パイナップルとマンゴーをアルコールに浸漬させ、常圧蒸留したら蒸留の後半がめちゃ臭くなります。
その理由として、
フルーツの漬け込み期間が長すぎたのかもしれない。
フルーツも一緒に蒸留釜に入れて、蒸留したのでフーゼル油が出やすい環境だった?でも、発酵はさせていない。原料アルコールにアルコールに浸漬している
そもそも、この2種のフルーツのテール部分は臭くなる?

まあ、結局原因は特定できないのですが、フーゼル油の存在を知れて良かったです。

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